十八史略010巻一五帝:帝舜有虞氏(2)

南風の詩

十八史略・原文

彈五絃之琴、歌南風之詩、而天下治。詩曰、南風之薰兮、可以觧吾民之慍兮、南風之時兮、可以阜吾民之戝兮。時景星出、卿雲興。百工相和而歌曰、卿雲爛兮、糺縵縵兮、日月光華、旦復旦兮。舜子商均不肖、乃薦禹於天。舜南巡狩、崩於蒼梧之埜。禹卽位。

十八史略・書き下し

五絃之琴を弾き、南風之詩を歌い、し而天下治る。詩に曰く、南風之薫れる、以て吾が民之慍りを解く可し、南風之時なる、以て吾が民之財をむ可しと。

時に景星出で、卿雲興る。百工相い和し而歌いて曰く、卿雲かがやけり、糾縵縵たり、日月光り華やぎ、旦復た旦なりと。

舜の子商均不、乃ち禹を天於薦む。舜南に巡り狩りし、蒼梧之野於崩ず。禹位に即く。

十八史略・現代語訳

舜は五絃の琴を弾き、「南風之詩」を歌い、それで天下が治まった。その歌詞はこうである。「南風の香りがただよう。これで我が民の怒りを解きほぐそう。南風が都合の良い時に吹く。これで我が民の財産を積み上げよう。」

そうした時にめでたい星が現れ、めでたい雲がたなびいた。百官達が合唱した。「めでたい雲が輝いた。ぐるりと巡っていつまでも続く。太陽と月も光り華やいだ。毎朝、そして毎朝。」

舜の子の商均は出来損ないだった。そこで禹を天に推薦した。舜は南方を視察した。そして蒼梧山のふもとの野で世を去った。禹が王位に即いた。

十八史略・訳注

兮:音ケイ。藤堂説では、上部の八印と下部の上ってきた息が一印で止められたさまからなる字。その息が飛散するさまを示す。のどにつかえた息が、へい!と発散して出ることを意味すると言い、白川説では打ち舌が付いた鳴子のことという。掛け声と解して良い。

景星:=瑞星。めでたいきざしを知らせる星。

卿雲:平和な時にあらわれるとされるめでたい雲。慶雲。

爛:光があふれんばかりに輝く。

糺縵縵:糺はよじれる、まとう。何本ものひも状のものがよじれる。また、中心となる物にいくすじもがまといつく。縵縵はゆるゆると長く続くさま。

:古代の帝王。夏王朝の開祖。
禹

蒼梧:山名。今の湖南省藍山県にある。九嶷(キュウギ)山とも。

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