十八史略・巻七北宋:徽宗(8)

宦官の童貫、権勢を握る

十八史略・原文

時星芒屢見、地震河决。怪異迭出、率以爲常。京等誣奏、甘露降、祥雲現、飛鶴蔽空、竹生紫花、芝草產于艮嶽、及諸州連理木、雙花芙渠・芍藥・牡丹。至指臘月雷、三月雪、皆稱瑞表賀。 

内侍童貫・梁師成用事。師成專務應奉、以蠱上心、勢焔熏灼、竊威福於中。童貫專務開邊、生事於外。皆與蔡京父子相表裏。

十八史略・書き下し

時に星の芒屢ば見え、地震いて河決れる。怪異たがいに出でるも、おおむね以て常なりと為す。

京等誣いて奏すらく、甘露降り、祥雲現れ、飛鶴空を蔽い、竹紫花を生やし、芝草艮岳于り、及び諸州の連理の木、双花の芙渠・芍薬・牡丹ありと。

臘月の雷、三月雪を指して、皆な瑞をえ賀を表すに至る。

内侍童貫・梁師成事を用う。師成専ら応奉に務め、以て上の心を蠱し、勢の焔燻ぶり灼き、威福を中於窃む。童貫専ら辺を開くに務め、事を外於生む。皆な蔡京父子与相い表裏たり。

十八史略・現代語訳

その頃、星が尾を引いている凶兆が見え、地震が起こって黄河が決壊した。あやかし者や異変が次々に起こったが、どれも普通のことだと片付けられた。

蔡京らは更にでっち上げの奏上を行った。いわく、めでたい甘露が降りたとか、めでたい雲が現れたとか、めでたい鶴空を覆うばかりに飛んだとか、竹がめでたい紫花を生やしたとか、めでたい霊芝が皇城の築山に生えたとか。また諸州にはめでたい連理の木が生えたとか、めでたい対のハス・芍薬・牡丹が咲いたとか言った。

冬の十二月に雷が落ち、春の三月に雪が降ったが、これも全てめでたい証しだとして、お祝いを申し上げる有様だった。

さらに宦官の童貫と梁師成が権力を握った。梁師成はひたすら徽宗への奉仕を務め、徽宗の心をたぶらかして、その寵愛による権勢は黒煙が上がるほど強くなり、飴と鞭の権限を宮中で独占した。童貫はひたすら領土拡張に務め、事件を外国との間で起こした。しかしいずれも、表の政府を握った蔡京父子と表裏となり、徽宗の家庭内に巣食っていたのだった。

十八史略・訳注

星芒:あわい星の光。林本は彗星と解している。

京:=蔡京。1047-1126。
蔡京

艮嶽:首都開封の皇城に附属して作られた築山。

芙渠:=芙蕖。荷花(ハス)の別名。

臘月:旧暦の十二月。

童貫:?-1126。宦官でありながら軍人を兼ね、約二十年間軍権を掌握した。

梁師成:?-1126。

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